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再現詳細、嫌悪感も 裁判員、性犯罪初の審理

2009年09月03日 16:01

裁判員裁判 青森地裁の公判1日目の記事です。
ジェンダー法の専門、中京大法科大学院の柳本祐加子准教授が傍聴し各紙のインタビューを受けています。

被害者へのプライバシー保護には十分な配慮がされていたとはいえ、事件の詳細を知るための映像など、被害者にとって「訴えること=このように公開される」というのは敷居を高くしてはいないだろうか。性犯罪は裁判員裁判にふさわしくないよう思えます。

 

 「被害者の名前を絶対に口にしないように」。小川賢司裁判長が冒頭、被告にくぎを刺した。全国で初めて性犯罪が審理対象となり、青森地裁で2日始まった裁判員裁判。公判初日から、地裁や検察側は随所で被害者の女性のプライバシーに配慮を見せた。一方で、検察側は強盗強姦(ごうかん)罪を立証する以上、詳しい状況も法廷で明らかにせざるを得ない。一般市民から選ばれた裁判員は露骨な表現に面食らい、嫌悪感を示す場面も見られた。

 小川裁判長が被告に注意を促したのは開廷直後。「被害者の名前はAさん、Bさんと呼ぶ」とも告げ、プライバシー保護を理由に挙げた。性犯罪を審理する公判で地裁や検察、弁護側が被害者情報を秘匿するのは一般的だが、被告が漏らしてしまうケースもあり、積極的に意識付けを図ったとみられる。

 検察側も被害者保護に腐心した。個人情報を伏せるだけでなく、証拠調べで被害者に関する内容を朗読する際も「プライバシー保護のため(傍聴席から見える大型の)モニターの映像を消してください」と何度も地裁職員に要請するなどした。

 被害者の自宅周辺の地図が一時的に映し出されるトラブルもあったが、法廷では最大限の被害者保護が徹底された。

 ただ、裁判員らの前に置かれたモニターはついたまま。検察側は事件発生時の細かい状況を読み上げて立証に力を込める。裁判員はモニターで性犯罪の再現写真を見せられ、被害者の体験を詳細に聞かされた。

 裁判員の男性の一人は検察側の立証中、額に浮かんだ汗を手でぬぐい、落ち着かない様子。別の男性裁判員も鼻の下を手で覆い、つらそうな表情を見せた。

 「ただただ早く終わってほしかった」という被害者の調書が朗読されると、裁判員の女性は検察官を見て何度もうなずいた。

 「当初は窃盗目的で被害者方に侵入した」と主張している被告に、女性は「なぜ被害者が帰宅した時に逃げなかったのか」と質問。「逃げていたら、こんな悲惨な事件にならずに終わったと思う」とも述べた。

◎手錠・腰縄姿見えず 地裁先行2例より配慮進む

 青森地裁で2日始まった全国3件目、東北で初の裁判員裁判では「有罪判決確定までは無罪と推定する」「裁判所は白紙の状態で公判に臨む」という刑事裁判の原則を徹底するため、先行2件の裁判より一歩進んだ配慮が見られた。

 報道機関による裁判官3人の法廷内撮影後、3人は退廷。刑務官に付き添われ、手錠・腰縄姿の被告が入廷すると、裁判長が別室から内線電話で書記官に手錠や腰縄を外してもらうよう指示した。解錠された被告は弁護人の隣の席で、裁判官と裁判員の入廷を待った。

 東京地裁で8月にあった全国初の裁判員裁判では、裁判員と陪席裁判官は被告の入廷前に別室で待機したが、裁判長は初めから施錠された被告の姿を見ており、一部の弁護士が「中途半端な方法だ」と指摘していた。

 今回、入廷する被告の手錠は紺色の布で覆われ、腰縄はスーツの上着で隠れていた。いずれも傍聴人には見えず、地裁の配慮がうかがえた。

◎「被害者情報流出なお懸念」「保護の概念とは対立する」/傍聴した専門家ら指摘

 全国で初めて性犯罪事件が審理された2日の青森地裁の裁判員裁判。傍聴した中京大法科大学院の柳本祐加子准教授(ジェンダー法)は「被害者のプライバシーを守る努力は感じた」と地裁の公判運営に一定の評価を与える一方、「性犯罪を対象事件から外すべきだという思いは変わらない」との考えを示した。

 柳本准教授は理由として「法廷で事件を詳しく述べることで、傍聴人が被害情報をインターネットなどに掲載することも懸念される」ことなどを挙げた。

 裁判員6人が男性5人、女性1人の構成になったことにも触れ、「あらゆる市民の視点を入れることが必要で、裁判員の性別のバランスも考えるべきだ」と強調。裁判員選任手続きに疑問を投げ掛けた。

 刑事弁護に詳しい猪原健弁護士(青森県弁護士会)も傍聴。「裁判員が審理するためには、リアルな情報が必要。ただ、被害者が見ていたらとても耐えられない情報で、被害者保護の概念とは対立する」と指摘した。


(河北新報 2009年09月03日)




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