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児童虐待 隠れた被害は甚大だ

2009年07月17日 07:37

社説:児童虐待 隠れた被害は甚大だ

 08年度に全国の児童相談所で対応した虐待相談は4万2662件に上る。児童虐待防止法ができた00年(1万7725件)の2・4倍で、連日120件もの相談が寄せられていることになる。これまで見過ごされてきた軽微なケースまで相談されるようになったとも言われるが、楽観的な見方は許されないだろう。昨年4~6月だけで頭の骨を折るなど生命の危機にさらされていた子が129人、重度の虐待で継続治療が必要な子を加えると597人にも上るというのである。
(毎日新聞 7月17日)

 たしかに、児童虐待防止法ができてからの8年で全国の児童福祉司は1・8倍に増えた。しかし、諸外国の水準に比べると1人の児童福祉司が抱えている虐待件数はまだ圧倒的に多く、深刻なケースに手が回っていないのが現状だ。悲惨な虐待死を防ぐために児童相談所の機能を大幅に高める必要がある。

 さらに、隠れている重い被害として性的虐待がある。相談件数は全体の3・2%に過ぎないが、児童虐待の専門家で構成する「子どもと家族の心と健康」調査委員会の全国調査(98年)では、女性の29%、男性の3・7%が18歳までに何らかの性的被害にあっていたという。毎日新聞が全都道府県警に対して行った調査(05年)では、中学生以下の子が被害にあった強姦(ごうかん)・強制わいせつ事件(未遂を含む)の届け出が年間2600件を超えることもわかった。

 自分が悪いという罪悪感や、被害が明らかになることを恐れて誰にも言えない子どもは多い。後遺症は深刻で、米国の調査では事故による心的外傷後ストレス障害(PTSD)は男性6%、女性9%であるのに対し、レイプされると男性65%、女性46%にPTSDが生じるという。自傷、自殺未遂、うつ、薬物依存、摂食障害などに苦しむ子どもは多い。少年院に収容されている女子の約8割が家族以外から性暴力を受けた経験を持つとの調査結果もある。

 性被害にあった子どもの聞き取りやケアには高い専門性が求められる。米国や韓国、台湾などは本格的な対策に乗り出し、司法や医療の機能を備えた支援センターが効果を上げているという。わが国でも福祉だけでない多面的な機能を結集した機関の必要性を考えてもいいのではないか。子どもへの性暴力は家族以外が加害者である場合も多く、家庭内の虐待を主な対象とする現行法では限界があることも指摘しておきたい。

 衆院解散で児童ポルノ禁止法改正案が廃案になるなど、とかく後回しにされがちなテーマだが、この国の未来に暗い影を落としている問題である。国を挙げて優先的に取り組んでもらいたい。



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